評判に惑わされない
おいしいお米とひと口に言っても、全ての人においしいお米はありません。
お米は硬さ、粘りの有無、甘みの有無、余韻の有無、香りなど食べる人の好みによっておいしいお米は違います。
またお米とおかずとの相性もあります。自分にあったお米を選ぶのに迷ったら、専門家にアドバイスを求めて下さい。
商品名に惑わされない
どんなプロでもお米の見た目だけで、産地や銘柄や栽培年を見分けることはできません。
お米は見た目で見分けることはできませんが、生産段階から最終消費段階まで追跡を可能とするのトレーサビリティ(追跡可能性)がしっかりと確立しています。
トレーサビリティがしっかりと提示できる信頼できる販売者から購入することが騙されない近道です。
パッケージに惑わされない
パッケージが同じに見えても、同じお米ではないかもしれません。
米袋は包装資材店で誰でも同じものが買えます。米袋には販売者が必ず記載されています。記載された販売者がそのお米の販売責任者です。
~米の価格は需要と供給のバランスでは決まりません~
米は集荷の時に県単位で全農本部・経済連が決定した概算金(仮払金)が農家に支払われます。概算金に保管・運送・検査費用などの流通経費等が加えられたものが相対取引価格になります。
概算金も相対取引価格も農林水産省のHPで銘柄や県別に誰でも見ることができます。これは精米前の玄米の価格です。
国の政策や政治的配慮により、概算金が決定されています。ゆえに、完全には需要と供給のバランスで価格が決まているわけではありません。白米の価格は、精米することで1割ほど目減りし、加工賃や流通経費、粗利などを更に加えたものになります。
概算金で下支えされているので、相対取引価格よりも安い米は存在する理由はないのです。あまりに安い商品は疑った方がいいかもしれません。事故米や飼料用米を使用した偽装米の販売で摘発された事件が後を絶たちません。
最低価格が保証されているから、スケールメリットも小さい商品になります。米は価格に惑わされるず、商品選びができることが大切です。
~ 一膳あたりのコストを計算しました ~
5kgで1,000円の価格差は大きく感じますが、お茶碗一杯では約14円の差です。
一食当たりで約14円差だと考えると意外に小さい差に感じませんか?
~旨みと栄養の宝庫サブアリューロン層~
白米で食べることとは胚乳(澱粉層)を食べるです。胚乳は澱粉で出来ていてアミロースとアミロペクチンの2成分から構成されています。アミロースが少ない米ほど粘りが強いお米になります。
実は米は糠層に栄養素の95%が詰まっています。白米にした場合は、糠層と澱粉層の境のサブアリューロン層(亜糊粉層)が残っているかどうかで味も栄養も変わります。
サブアリューロン層には、オリゴ糖やアミノ酸などのうまみ成分。ビタミンB1、ナイアシン、マグネシウムなどの栄養素が含まれます。
サブアリューロン層を残した米は、若干黄色が強く見える、真珠みたいな白乳色をしています。米は胚乳に近づくほど白くなります。ものすごく真っ白なお米はおいしいとは限らないのです。
サブアリューロン層は薄く、残すのは非常に難しいことなんです。
~5大ポイント~
①計 量
●正確にお米を計るのが基本中の基本
●計量は重量にて行ってください
●1合は150gと考えてください
②洗 米
●お水を溜めたボールを用意
●計量した米をボールに投入し、手早くかき混ぜ素早く水を切る
●米は優しく揉み込むように洗う(2~3回)
●水が透明になるまで洗う必要はありません
③加 水
●重量で生米の1.20倍~1.65倍前後を加水
●新米は水加減は少なめに
●収穫から時間が経つごとに水加減を多くする
●水加減の公式【1合(150g)を1.4倍で加水する場合】
生米(150g)+ 水(210g)= 総重量(360g)
*別解*洗米した米に生米の2.4倍の重さ(360g)になるまで水を加える
●炊飯器の目盛りは軟らかめに炊けます
④浸 漬
●浸水または水浸しともいう
●浸漬水、洗米水の水温と時間
5℃ → 120分
15℃ → 60分
25℃ → 40分
●季節による浸漬時間
夏 → 30分
冬 → 60分
⑤蒸らしとほぐし
●蒸らしの時間
IH炊飯器 →5分程度
その他 →15分~20分(量が多いほど長く)
●天地返しをし、素早く、こまめにほぐす
●ほぐしたら蒸気抜けるまで蓋をしない
この一手間が、炊きムラをなくし、歯ごたえ・艶・透明感を確実にアップさせます。
~当社匠の精米工程~
精米工程について(普通精米)
❶張込み
原料玄米を投入します。
強力磁石で金属を取り除きます。
❷混米機
同一品種で同じ作り手であっても、土壌状態や育成環境に違いがあり出来上がる玄米も違いがあります。
通年での販売では、複数の作り手の玄米を使用する必要があります。
同一品種であっても、玄米を混ぜ合わせる工程が必要です。
どの玄米を混ぜ合わせかには一番神経を尖らせます。この工程が品質の安定を左右します。
❸粗選機・石抜き機
玄米の中の石やゴミなどの不純物を取り除きます。
❹精米機
当社では、砥石を利用した研削工程と米粒に強い圧力を加え摩擦を利用した摩擦工程の2工程でじっくり精米します。
この工程で調質という水を加える業者もありますが、当社は調質は行いません。
当社では、水を加えることは食味にとってマイナスであると考えております。
❺石抜き機
白米の中の石を取り除きます。
❻シフター
小さな米や砕けた米、米に付着した糠を取り除きます。
❼流下式選別機
小さな米や砕けた米、米に付着した糠を取り除きます。
❽糠玉除去機
精米工程で発生する糠が固まってできる糠玉を取り除きます。
❾色彩・異物選別機
虫食いの米(着色粒)やアワや草の実(異種穀粒)などの不良米や異物を取り除きます。
❿計量・包装機
米を計量し、袋に充填包装します。
無洗米(❾までは普通米と工程は同じ
)
❿無洗米機
無洗米加工を行います。当社では環境負荷と食味を考慮し、乾式研米方式を採用しています。
⓫シフター
小さな米や砕けた米、米に付着した糠を取り除きます。
⓬計量・包装機
米を計量し、袋に充填包装します。
~ 米品種改良系図 ~
お米ができるまで
田んぼの役割
山からとけだした養分をたっぷり含んだ川の水は、用水路を通じて田んぼをうるおします。
作土層は稲を育てるためにたがやされた、養分や有機物に富んだ土の層。その下のすきどこ層は土がしっかり固めてあるので水を通しにくく、ねんど質の土をもりあげた畔は壁になって、プールのように水を貯める働きをします。
田んぼに水をはると土の中は酸欠状態になり、有害生物が死滅して、作物がよく育つ中性の土壌に保たれます。
また稲は土と水の両方から養分を吸収でき、川の水が絶えず運んでくる養分が天然の肥料になります。
こうして田んぼの土は、毎年お米を作り続けても土の力が豊かに保たれるのです。
①水をきれいにします
土の層がよごれた水をこし、有害なチッソも分解して(無害にして)放出します。
②洪水や土砂くずれをふせぎます
田んぼは雨水をいったんため、ゆっくり放出するので、洪水や土砂くずれをふせぎます。
③気温を調節します
水蒸気をたっぷり発散して、気温が上がるのをおさえます。
④地盤沈下をふせぎます
地下水と川の水の量のバランスをとりながら、雨水をゆっくり地中に浸透させるので地盤沈下をふせぎます。
⑤生物のすみかになります
カエル、トンボ、イナゴ、ドジョウ、フナなどたくさんの生物がすんでいます。
・農林水産省 米(稲)・麦・大豆
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/index.html
・厚生労働省 食品衛生申請等システム
https://ifas.mhlw.go.jp/faspub/_link.do
・公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構
(米ネット)
・公益社団法人 神奈川県食品衛生協会
http://www.fha-kanagawa.jp/kenben.html
・一般財団法人 日本穀物検定協会
・一般社団法人 日本精米工業会
・全国無洗米協会
・日本米穀小売商業組合連合会
・お米HACCP
・お米マイスター全国ネットワーク
・米・食味鑑定士協会
https://www.syokumikanteisi.gr.jp/
・新潟県農林水産部食品・流通課
https://www.pref.niigata.lg.jp/site/syokuhin/
・おいしい山形
http://www.yamagata.nmai.org/index.html
・山形「つや姫」「雪若丸」
ブランド化戦略推進本部
・うまさにいちず みやぎ米
・宮城米マーケティング推進機構
https://foodkingdom.pref.miyagi.jp/miyagimai/index.html
・ふくしまの米
https://fukushima-pride.com/fukushimanokome/
・藤沢商工会議所
https://www.fujisawa-cci.or.jp/